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製造業に向いていない人の性格【改善方法もお教えします】

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ごんざぶろう

製造業の仕事をするのに向いていない人ってどんなタイプ?

向いていない人でも改善すればなんとかなるかな?

製造業勤務15年ほどの私が、こんな疑問にお答えしていきます。

ここで言う「向いていない人」というのは「性格的にこんなことをしてしまう人」という意味です。

合わせて、どうしてそれがよくないのかの理由。

また、その項目に当てはまっている人でも、改善していけば製造業はこなせるので、そこも解説していきます。

製造業に向いていない性格

大きく3つ挙げてみました。

製造業に向いていない性格

  • よかれ主義
  • こだわりが強い
  • 指示以外のことに手を出す

よかれ主義

これは、相手のためによかれと思って手伝ってしまう人ですね。

例えば自分の作業工程があるとして、自分の作業に余裕があるので、となりの工程の作業者を手伝う、なんていう場合。

こういう人は、自分以外の作業者や作業にも無意識で目がいってしまい、ひどい人だと工程外の作業者に関しても手伝うことがあります。

もちろん、気持ちは分かります。

また、相手も手伝ってもらった瞬間はありがたいと思っていることもあるかもしれません。

サービス業など対人の接客対応などは、臨機応変にヘルプに入ってうまくカバーし、切り抜ける場面も多いでしょう。

ですが多くの場合、製造業というのは「対人」ではありません。

「ものづくり」なんていう言葉にあるように、「対物」の仕事なんですね。

工程というからには、それぞれの工程作業者がしっかりと役割分担をして、自分の工程の仕事をきっちりと終わらせて次の工程に流す。

基本的な形はこんな感じです。

なぜ役割分担をしているのかと言えば、ひとつの「もの」を作り出すためには様々な工程を経なければならず、全工程をひとりでまかなうのが困難なため。

すごく極端な言い方をしますよ?

自分の工程作業を死ぬ気でこなして、ひとつのミスなく次へとつなげるのが各工程作業者の仕事。

そうしないと、作り出す「もの」に品質的な不具合が生じ、お客様に不良品を納入してしまう可能性があるからです。

手が空いているからと、習ってもいない自分の工程以外の作業を手伝い、自分の工程作業で不具合、手伝った相手の工程にも不具合となったら。

最悪のケースではそんなことも考えられるのです。

プライベートや対人関係の仕事であれば称賛されるようななにげない行動や判断が、対物の仕事では不良流出につながり、お客様との信頼関係を断つことにつながる。

ですから、普段からよかれと思って人の手助けに入りがちな性格の人は注意しなければなりません。

こだわりが強い

これは、自分の中のポリシーというか、軸になる部分を多く持っている人。こだわりがたくさんある人。

「こうしなきゃ気が済まない」なんていう性格の人です。

私の実体験でお話すれば、工程内の左右に部品が置いてある棚があり、部品がカラになったら棚上部のシューター(コロコロがついててすべってくヤツ)にカラ箱を送る作業があります。

通常は右から出たカラ箱については右、左から出たカラ箱については左のシューターに送ると思います。

カラ箱に近いシューターを使ったほうが効率よくこなせますからね。

ですが、私と同じ工程の作業者で右のシューターにまとめて置きたがる人がいまして。

右のシューターがどれだけパンパンになっていても、カラ箱を重ねたり詰めたりしてなんとか置こうとする。

左がスッカスカに空いているのに、ですよ?

一番最初にそれを目撃した私の感想は「意味が分からない」でも「なんで?」でもありません。

「ものすんげえムダじゃね?」です。

製造業において重視しなければならない点は3つあり、「安全・品質・生産性」なんて言われ方をします。

残念ながら先ほどの行動は、この3つの重要点をすべて無視した「ムダな作業」になります。

まず安全。

ひとつひとつのカラ箱をあえて積み重ねたり詰めたりして空きスペースを確保している。

結果、カラ箱を回収してくれる作業者がカラ箱を取り出すときに崩れてきて体に当たる可能性がある。

次に品質。

空きスペースをどうやって空けてやろうかということばかり考えていて作業に集中できなくなる。

結果、作業手順が飛んだりして不具合品を流す可能性がある。

最後は生産性。

空いている左のシューターを使えば、ものの数秒でカラ箱を処理できるところ、わざわざ手間と時間をかけてまでなんとか右シューターの空きを作っている。

その時間ぶんの作業はとどこおってしまい、生産数は落ちる。

まあ、思ってましたよ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」と。(ネタ元が分かる人は笑うところです)

一度本人にも指摘しましたが、直りません。

本人が言うには「カラ箱回収する人が楽になるから」とのたまっておりました。

まあ、私の仕事は「人のケア」でないので放置。(ここ大事)

どうしても気になる場合は、上長にかけあって仲介者をとおして改善するのが最善でしょうね。

というわけで、こと「対物」関係の製造業では、いらないこだわりを持つ数が多い人ほど作業に支障が出るので注意が必要です。

指示以外のことに手を出す

先ほどお話ししたとおり、製造業では工程ごとに役割分担がされています。

工程ごとに用意された「標準作業書」というルールにのっとって、どれだけ確実に業務をこなせるかが最重要となってきます。

時間が余っているのなら、自分の工程作業を見直してミスがないかどうかなどに目を向けることが大切。

要は、標準作業書に書いてあること以外はする必要がないということ。

誤解を恐れずにもっと言ってしまえば、自分の工程において標準作業書どおりの仕事さえこなせていればそれでいいのです。

で、今回も実例つきでお話しますが。

自分の工程外で、直し作業をしている人がいるんですね。

その人が、直し作業に必要なボルトを私たちの工程まで必要数取りにくるのですが。

質問です。

このボルトを必要数用意するのは、私の工程の仕事ですか?

はい、もちろん違います。

手直しをする工程の人がこちらの工程からボルトを持っていけばいい。

簡単な話です。考えなくても分かりますね。

もうお分かりだと思うのですが、私と同じ工程の作業者は、手直し作業者がボルトを持っていくのが分かっているので用意しておいておきます。

しかも「今日は何回くるかなー?」などとくる回数を予想し、2セット3セット作っておくのはザラです。

申し訳ないのですが、ここまでくると私からすれば異常です。間違いなく異常です。

「え?あなたはボランティア団体の人かなにか?」

そう疑いたくもなります。

しかも。しかもですよ。

百歩譲って他の作業者の邪魔にならないようにしてくれさえすればいいのですが、私の作業をさえぎってまで用意します。

で、「あ、すみません」と謝ります。

誤ってもまた同じことを繰り返すんですけどね。

イライラまでつのっていく感じ。

直し工程の人もボルトが用意されているのが当たり前になってきて、いつのまにか私たちの仕事のような扱いまで受けてしまいますよね。

どうします?あとあと「いつも用意してくれてたのになんで今日は用意してないんだよ」とかトバッチリ喰らったら。

イヤだし、おかしいことですよね?

指示以外のことに手を出すということは、それはもはや仕事ではない。

自分がしたいことをすることが仕事なのではない。

ここをはき違えてしまうと、今回のように他作業者の作業の邪魔になったり、する必要のなかった仕事を暗黙のうちに強要されたりするんです。

心がけるべき点

ここまでは「製造業に向いていない人の性格」ということでお話をしてきました。

それでは、ここまでに挙げてきた項目に当てはまる人はどうすればいいのか。

簡単です。

するべきではないことを列記してきたわけですから、これと真逆のことを心がければ、修正が利いて製造業をこなせるということです。

製造業は「対人」ではなく「対物」。

ゆえにひとりひとりが心がけるべきなのは、自分が任された工程をミスすることなく確実にこなすこと。

そのためには、単なる親切心で他の工程や作業者の手助けをおこなわないこと。

厳しく言ってしまえば、他工程など目もくれず、ただただ精密機械のように感情を持たずに黙々と作業することです。

極端ですが、これが製造業に必要な心がけになります。

まとめ

製造業はある意味で非情な世界で、自分が相手のためを思ってしたことが裏目に出たり、あとあと非難されたりする原因になりうるものなんですね。

でも、プライベートや対人関係の職種では、その気持ちを大切にしていいんです。むしろそうしてあげてください。

製造業の業務中に限っては、心を鬼にして作業をすることが、ひいては安全・品質・生産性を保つことになる。

そして自分も他の作業者も心地よくスムーズに仕事をするためのポイントになります。

製造業とそれ以外の場面とで、メリハリを利かせ、切り替えをタイミングよくおこなうことが大切になりますよ。

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