誰にでも響く日常的な言葉ってどんなものがあるかな?
こんな疑問にお答えしていきます。
日常的な言葉で思い浮かぶものというと、人と会ったときの「おはようございます」や「こんにちは」がありますね。
「あいさつは社会人の基本とか、そういう話だろ・・・」と思った人、ご安心ください。
今回は残念ながらあいさつの重要性を説くようなお話ではありません。
とはいえ、あいさつがどうでもいいとかそういうことではなく、非常に大切なのは間違いないことです。
【まったく別の切り口からあいさつを解説した記事はこちら】
→挨拶はなぜ大切と言われるのか?~3つの理由と意外すぎる効果~
しかし実は、「あいさつ以上に日常的で大切な言葉」があるのです。
それは、「ありがとう」と「ごめんなさい」。
「え?本当に?」と驚いている人も多いでしょう。
そこで今回は、あいさつ以上に強力で大切な「ありがとう」と「ごめんなさい」という言葉について、掘り下げていきたいと思います。
あいさつと「ありがとう」や「ごめんなさい」の言葉の違いはなんなのか?
あいさつよりも強力で大切だという根拠はなにか?
また、使い方次第で言った本人も言われた相手もお互いの信頼性を深めることができる魔法のような効果について解説していきます。
「なんかあの人とはイマイチ距離が近づけないな・・・」という方にはぜひ読んでいただきたい記事となっています。
コンテンツ
あいさつは相手に響かないときもある
ここでペンギンさんとはちさんに協力していただき、まずは「あいさつ」のやりとりを見ていただきましょう。
おはようございます!
・・・。
え?ウソやん・・・。耳ついてないから聞こえへんの?ウチもついてへんけど・・・。
いかがでしょう?
こんな場面、誰もが一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。
あいさつは社交辞令のような面もあるせいか、日本人、特に男性にはあまり好まれないような気がします。
「あいさつは社交辞令」というのが浸透してしまっているせいで、意味のないものととらえられ、「めんどくさいだけ」「ちょっと気恥ずかしい」という気持ちが出てしまうんでしょうね。
あいさつは気持ちよりも元気さが大事ですが、元気にあいさつしたから必ず返事をしてくれるってわけでもないですし・・・。
日本のあいさつはかたくるしいという印象があるので、外国人のように軽く手を挙げて「よう!」みたいにくだけた感じにすると多少違うかなという気もしますが。
目上の人や上司にはなかなかできない方法ですから、難しいところですね。
あとは、日本人の気質として、「自分事だとはっきりしないものには無関心」ということもあります。
例えば、学校の授業などで先生がみんなに話しかけていても、一対一でないという側面から、聞く側がどこか他人事のように流してしまう傾向があるんですね。
ですから、「相手の名前を読んでからあいさつする」なんていうのも効果的だと思います。
「〇〇さん、おはようございます。」「〇〇くん、こんにちは。」という感じですね。
「ありがとう」「ごめんなさい」は必ず相手に響く
ところが、自分が本当に感謝していて言葉で伝えたいときの「ありがとう」や、心から本当にすまないと思っているときの「ごめんなさい」には力があります。
これは必ず相手に響きます。
最初の一回は届かなくても、相手から何の言葉も反応もなかったとしても。
その理由は、あいさつのように社交辞令でするものでもないし、また、社交辞令のようにしようとしてできないものでもあるから。
だって、言いたくはないと思っているけど、とりあえずありがとうとかごめんなさいとかいう人、あまりいないでしょう?
言葉にしているからには、どんな状況でも少なからずそこに気持ちが込められている。
気持ちを込めずに言おうと思えば言うことができるあいさつとは違うものだと分かると思います。
以前私が勤めていた職場には、ありがとうをよく口にする上司がいました。私も言われたことがあります。
なんなら「お疲れさまでした」に対して「ありがとうございました」と返ってくるときもありました(笑)。
もちろんそれを受けた私の気持ちは嬉しいものがありました。
何よりも、この上司のありがとうには
「今日もお疲れさまでした。あなたやみんなが精一杯仕事に励んでくれているから私たちは助かっています。」
という意味が込められていると分かるからこそ響く言葉になるのです。
それを使う人がひとりふたりと増えてきたときのことを想像してみてください。
なにかをしてもらって感謝することがあったときに、誰もが誰に対してでも「ありがとう」と言う。
なにかをしてしまって謝りたい気持ちがあったときに、誰もが誰に対してでも「ごめんなさい」と言う。
そんな環境は、あいさつ以上の良好な人間関係を作りだす魔法のような言葉になりうるのです。
社交辞令で言える言葉ではないからこそ、言う人の気持ちが込められた言葉であるからこそ、相手に伝わる。
単にいくつかのひらがなが並んでいるだけではないんですね。
だからこそ、かたくなな心を持つ相手であっても、少しずつ心をほどいてゆくことができるのです。
言葉にしないと伝わらない
「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉に力があることは分かってもらえたかと思います。
ですが、これは思っているだけでは伝わりません。
そもそも、自分が思っていることを相手に分かるように表現するためのツールが言葉というもの。
「暗黙の了解」や「阿吽(あうん)の呼吸」でどうにかするようなものではなく、誰にでも分かるようにした感謝の言葉、誰にでも分かるようにした謝罪の言葉。
言わなくても分かるだろ、なんとなく伝わってるだろというのはその人の思い込み。
また、言葉に表したとしてもその場をしのげればそれでいいだろ、とりあえず言っておけばそれでいいだろではどんなに回数を重ねても届くことはないでしょう。
私の上司の例のように本当にその気持ちをもって言葉にして相手にしっかり伝えたとき、このフレーズは大きな力を持ちます。
言うなれば、自分自身のそのときの感情表現が「ありがとう」であり「ごめんなさい」であるので、あいさつとは違った明確な意志表示となっているのです。
そして現状、日本の社会の中で必要な機会に「ありがとう」「ごめんなさい」と素直に口に出せる人はまだまだ少ない。
だからこそ、「ありがとう」「ごめんなさい」を瞬間的に判断して言葉にできる人は貴重だし、言葉にも重みを感じさせることができるのです。
「すみません」はどちらの意味にも使える万能な言葉ですが、自分の感情を乗せて相手により伝わるようにするには・・・そうです。
なにかしてもらったら「ありがとう」。なにか迷惑をかけてしまったら「ごめんなさい」。
これに勝るものはありません。
特にビジネスシーンではつい「すみません」と口ぐせのように言ってしまいがちですが、言葉の選び方にも気をつけてみましょう。
相手に伝わる熱量はまるで違ってくるものですから。
まとめ
私の場合は感謝や謝罪の言葉は自然と口をついて出ていることが多いのですが、それができているということは、気持ちもしっかり乗っているということなのかもしれません。
「ありがとう」は伝染しても困る人はいないので、普段なかなか言葉に出せないという人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「ごめんなさい」の伝染は・・・ちょっと困るな(笑)。
それでは今日も最後までお読みくださり、ありがとうございます(笑顔)。