会話は日常生活の中でひんぱんに耳にするコミュニケーションのひとつです。
会話が得意な人は無意識でおこなっているでしょうが、中にはあまり得意ではない人もいるでしょう。
そんな人にとっては会話は「これ、生きてく中でどうしても必要なもの?」「できるならさけて通りたい」という存在になっているかもしれません。
ハッキリ言います。これは大きな損です。
でも「話が続かない」「なにを話そうか迷う」という人に伝えます。実は会話で重要なのは内容ではありません。
ということで今回は、会話が私たちの日常生活からは切っても切れない存在だということの理由、心構えを解説。
そのあと、会話から得られるさまざまなものを例を挙げながらお話していきます。
最終的に、会話というものの理想形はどんな感じなのかまで深掘りしていきますよ。
「会話」というもののなにがそんなに重要なのか、この記事を読んで会話のイメージを変えてください。
コンテンツ
会話は必要なものか?
まずは「会話はどうしても必要なものなのかどうか」からお話していきます。
結論から言うと、「必要」です。
それは私たちが人間だからです。
会話が必要な理由
極端な話、誰ともかかわることもなく、本当の意味でたったひとりで生きていくのであれば会話は必要なものではありません。
しかし実際問題、この社会の中で会話をする必要なく生涯を終える人がいるのだとすれば、山で生まれて山でずっと生活し続ける人くらいなものです。
要するに「自分と外界とを完全にシャットアウトした生活を送る人」です。
ところが、例えば「私は引きこもりで人とかかわる機会なんてない」という人ですら、かかわりは存在します。
必要なものをネットで買うとき、もっと言えばSNSを使うデバイスを入手するとき、さまざまな場面で人とかかわる結果になります。
そもそも人として生まれたのであればその時点で、親や生まれた場所の環境などに左右されながらも、人とのかかわりは持たざるをえないはずです。
家族、隣の住人、学校の友達、会社の同僚、恋人・・・。
そう、大多数の人は生まれながらに「社会」に存在するひとりであり、社会に存在するかぎりは人と接触はさけられないのです。
であれば、会話が得意かそうでないかは大きな問題ではなく、必要だと分かりきっている以上、割りきってつきあってあげればいい。
別に神経質に考える必要はありません。
得意でないならないなりに、「会話」という魔物に気楽にテキトーにつきあってあげるだけでいい。
心持ちはそのくらいで充分。それが「会話」というものです。
会話で得られるもの
ここまで、会話の重要性についてお話を進めてきました。
次は、会話によって得られるものは一体なんなのかを深掘りしていきます。
会話で得られるものは、大きく分けてみっつあります。
会話で得られるもの
- 相手との仲の良さ
- 相手がどんな人なのか
- 自分との相性
相手との仲の良さ
会話で得られる一番大きなものは「相手と仲良くなれる」こと。
相手と仲良くしたいと思っているかどうかは人によって違うだろうし、仲良くしたい相手、したくない相手もいると思います。
ですが、学校・会社・地域などの社会でかかわりを持つ中で、一度かぎり・その場かぎりの関係で終わるようなことはほとんどないですよね?
ならば相手も自分も仲が悪いよりは良いほうが心地いいはずですからね。
ところで、自分にとって心の距離が一番近い人に家族や友達やパートナーが多いのはなぜでしょうか?
それは顔を合わせ、言葉をかわす回数が多いから。
内容はあまり関係なく、会話という行為をかさねることそのものが心の距離を近くしているのです。
もちろん、会話は数あるコミュニケーション方法のひとつにすぎず、SNSなどの文字のやりとりを多く使っている人も多いでしょう。
しかし、「親密さを深める」ということに関して、会話よりもすぐれたものはないと言えます。
太古の時代に人間だけが手に入れた「言葉」。
その「言葉」を使ったコミュニケーションの「会話」は、今も続いている。
多くの文字に相手の魅力がどれだけしるしてあったとしても、伝わるものはほんの少しでしかない。
その文字の中に自分との共通点がどれだけあったとしても、縮まる距離はほんの少しでしかない。
会話とは、その壁を一気にとりはらう魔法。
かわす言葉の内容が濃くなくても、かわす言葉が短かったとしても、数をかさねるだけでみるみるうちに心の距離は縮まってしまう。
この先デジタル技術がどれだけ進歩していっても、「顔を合わせて話す」行為以上に効果的な方法は現れないでしょう。
相手がどんな人なのか
会話は相手の個人的な部分を引き出します。
例えば、相手の好きな食べ物、好きな音楽、興味のあること、ずっとつづけていることなどの表面的な部分。
そして会話の回数をかさねると、直接言葉にしていなくても分かる、もっと深いところが見えてくるようになります。
例えば物事の考え方、とらえ方、信念、人柄。
なにが大事と考え、なにが大事でないのか。なにを根拠にどう判断するのか。
話に触れると喜ぶ部分はどこか。逆に触れられたくない部分はどこか。
優越意識はどこにあって、劣等意識はどこにあるか。
こういった内面的なことというのは、会話におけるちょっとした一言・なにげない一言で分かることが多いです。
目的意識をもって文字に起こすSNSなどには表れにくいところでもあります。
また、相手の人間性を知ってその人の魅力を感じたことで心の距離が近くなることもあります。
相手のプロフィールを知る以上の効果が得られる場面も少なくありません。
自分との相性
相手とつきあっていく中で、相性というのも結構大事ですよね。
会話ではそんなところも探ることができるのが強みです。
相性はフィーリングが重要な面もあり、フィーリングを感じる上でその場の雰囲気やちょっとしたニュアンスも判断材料になります。
フィーリングやニュアンスは、顔を合わせて話してみないことには分かりにくい部分ですので、そういった意味でも会話の重要性は感じられるかなと思います。
また、例えばフィーリングやニュアンスで「あまり相性がよくないかも」と感じたとします。
会話でしか分からないことをつかんだのですから、そのときには無理に距離を縮めようとする必要もないかなと思います。
しばらく様子見でそのときの距離を保ったままでいるのもいいし、それもつらいようなら仲が悪くならない程度の距離をとるのも手。
とはいえ、ここでは「会話なら相性のようなこまかいところまで分かりますよ」という程度にとどめてもらうのが一番いいと思います。
相性がいいと感じたから急に距離を縮める、悪いと感じたから急に距離をとるというよりは、参考程度に頭に置いておくのがベスト。
例えば、あなたが仕事以外の話をしたいと思っているなら「仕事の話が多いAさんとは会話ははずまないだろうし、メチャクチャ仲が良いというところまではいかないかな」とか。
自分から距離を近づけたい気持ちがあるなら「今度Aさんに仕事の話を多めに振ってみよう」とか「仕事の疑問があればAさんに聞いてみよう」とか。
そういった個人個人への対応をするための参考にする感じで活用してみてください。
会話のあるべき姿
ここまで読み進めてくれたあなたであれば、「従来の会話」と「これからするべき会話」との違いが分かるかと思います。
従来の会話の概念で重要とされていたのはこんなことでした。
- 会話の内容の濃さ
- 会話をしている時間の長さ
- 会話の有益さ
ただ、ここに重きを置いてしまえば「会話は形式的でいくつかの条件を満たさないといけない、かたくるしいものだ」というイメージでしかありません。
会話において重要なのはただ一点。
「会話の数を多くかさねること」
ですから、「話が続かない」「なにを話そうか迷う」なんて気にする必要はないのです。
そしてそれによって得られるものは「相手との親密さ」です。
すなわちこれは「相手との信頼関係」にもつながっていきます。
最初のうちはあいさつだけで終わってしまうかもしれません。
返事がない場合だってあるかもしれません。
でもそのこと自体は重要じゃない。
重要なのは、「会話の数」。
「よく話しかけてくれる」という事実は、「自分と仲を深めようとしてくれている」「心を開いてくれている」と気づかせることになり、相手も歩みより始めます。
あなたが相手に話しかけたこと。それを繰り返していること。必ず相手に伝わります。
仮にどんなにかたくなな心を持っている相手だったとしても、打ち解ける日がきます。
会話の数にまさるものはありません。会話の内容や長さはオマケみたいなものです。
だから、言葉につまってもいい。たどたどしくてもいいんです。
あなたは落語家や講演者じゃない。
うまくいかなくて当たり前。
仲を深めるために話のうまさは必要ありません。
毎日ひとつ、なにかの言葉を投げかけ、何かの言葉を返してもらう。
繰り返していけば自然と仲は深まり、会話もはずみ、うまく、長く話せるようになります。
まとめ
親密さを深めるのに、話のうまさや内容の濃さや長さは関係ありません。
会ったその瞬間に信頼を築き上げるのは難しい。親密さだって同じです。
一言ずつ、一回ずつだったとしても、話す回数をかさねることで築き上げることができる。
だから「話がうまくない」「内容が薄い」「短い会話で終わってしまう」のは関係ない。失敗ですらない。
どんな形の言葉だとしても、積み上げ続けることによってのみ、親密さを深められる。
どうか会話の回数をかさね続けることの重要性を心にとどめて、ほんの一歩ずつでも進んでみてはいかがでしょうか。