今度から製造業で夜勤が始まるんだけど、僕は夜勤は初めて。大丈夫かな?
あと、夜勤を始めるにあたって気をつけておいたほうがいいことってある?
15年ほど製造業にたずさわっている私が、こんな疑問にお答えしていきます。
夜勤業務で、特に初めての人にはいろいろと心配事もあるかと思いますが、私の知識や経験を共有できたらと思います。
さらに、夜勤に関しての法律上のルールの基本的なところも簡単に解説していきます。
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慣れれば大丈夫
ということでさっそくですが、初めての夜勤でも、慣れれば大丈夫だと言えます。
夜勤ですから、通常なら寝ている時間帯に仕事をするわけで、性質上は夜型の人のほうが向いているのかなという感じはあります。
しかし、私自身が元々夜更かしが苦手なタイプ、夜起きているのがつらいと感じるほうですが、その私が大丈夫だと言っているので安心してほしいと思います。
夜勤で押さえるべきポイント
それではここで、夜勤を始めるにあたって記憶にとどめておいたほうがいいかなと思うことを3つ挙げていきます。
夜勤時のポイント
- 眠い
- 仮眠をとる
- 奇行が目立つ
眠い
まあ、言うまでもないですが・・・。
人間の体のメカニズムとして、昼太陽が出ている間は脳が起きている状態、夜は脳を休める状態としてインプットされています。
日の光をあびることで体内時計を正常に働かせるなんて言いますが、この人のメカニズムを証明してくれていますね。
つまり、夜の時間帯に眠いのは当たり前です。これ大事です。
もちろん夜勤中に居眠りをするようなことはあってはならないのですが、「自分は夜どうしても眠くなってしまう。ダメな人間だ」と思うことはありません。
むしろ、体が正常な証拠です。
眠くなる時間帯のピークとしては、経験上では明け方の3時~4時くらい。
クッソ眠くなります。クッソ眠くなります。
なんなら動きが止まります。
ですので、ピークに合わせてエナジードリンクなどを飲むのは効果的。
目がチカチカして、一時的にですが頭もさえて眠気も飛びます。
しかしこれは薬と同じで、体をマヒさせて無理やり正常に感じさせているだけなので安心はできません。
また、大量のカフェインが含まれているので、短時間に大量に摂取するのはよろしくありません。
加えて、常用していれば覚醒(かくせい)効果も薄れてきますので、体への負担だけが残ってしまいます。
平和的な眠気覚ましとしては、軽く体を動かす、ガムなどをかんで口が動いている状態にするなどですね。
なんだかんだで人と話をしているのが一番の眠気覚ましになってしまうのですが、仕事中の私語は製造業では命取りになりますので、やめましょう。
仕事中の私語がもたらすマイナス面についての記事はこちら。
→実はそれヒューマンエラーです!ありがちな行動に潜む危険とは?
仮眠をとる
お話してきたとおり、夜勤時には眠くて当然の状態が多く発生します。
仮に夜勤明けに充分な時間の睡眠をとったとしても、人の体のメカニズムは正直なので深い眠りにはなりにくい。
結果、「昼あれだけ寝たのに、なんでまだこんなに眠いんだろ?」となるんですね。
そこで効果的なのは、長い休憩中(ごはん休憩)で仮眠をとること。
長い時間集中して眠れなくてもいいし、目を閉じているだけでもいいです。
10分程度の時間だとしても、仮眠をとるのとそうでないのとでは後々大きな差となって出てきます。
これは医学的見地とか、こむずかしい話のものではなく、私の経験上確信できたことだからです。
頭もスッキリし、睡魔に襲われるピーク時にも影響を受けにくくなりますのでオススメです。
深い眠りになりにくくなるぶんは、昼勤時よりもトータルの睡眠時間を長くすることで、ある程度はおぎなえます。
奇行が目立つ
睡眠時間や眠りの深さが不充分な状態のとき、眠気とともに気をつけたいのは「思考力・注意力がなくなること」です。
要は「ボーっとしている」わけですね。
ですから、仕事帰りの電車を乗り過ごしたり、乗り換える必要のないところで乗り換えたり。
家に着くや、普段だったら気にならないところがふと気になって、なにげなく手を出したら失敗するとか。
後々考えたら「どうした?自分」と首をかしげるようなことが割と多く起きるんですよね。
もっと大きなとらえかたをすれば、駅の階段で足をとられて転げ落ちるとか。
家でごはんを作るときに熱湯をひっくり返してヤケドするとか。
つまりは、ケガにつながる行動、奇行をしがちってことなんですよね。
これはなにも帰宅途中や帰宅後に限ったことではないはずです。
そう、思考力や注意力のなさから、普段は防ぐことのできるケガを「仕事中に」してしまうことだってあるはず。
それどころか製造業という性質上、安全面だけではなく、品質面・生産性といった面でもマイナスなることをしてしまう可能性がある。
夜勤に慣れることは大切なことですが、慣れからくるナマケは禁物。
いつも以上にケガには気をつけて、「なあなあで動く」「なんとなくする」のを避けて勤務に当たりましょう。
法律上の取り決め
ここからは、夜勤時に関連した法律上の取り決めについて3つピックアップして解説します。
深夜業務関連のルール
- 深夜手当
- 有給休暇の深夜手当
- 健康診断は年2回
深夜手当
深夜時間に業務に就く際に、通常の賃金とは別に手当てがつきます。
こちらは「深夜手当」と呼ばれるもので、深夜時間帯とされる22時~5時までの7時間のうち、業務に就いた時間ぶんの賃金に25%割り増しした額を支給するというもの。
注意点として、深夜時間帯の7時間ぶんをまるまるもらえるということではなく、就業時間ぶんの賃金のみが対象です。
例えば、22時~5時までの間のどこかに1時間の休憩をはさむ企業だとすれば、休憩時間は就業時間ではないので、6時間ぶんの深夜手当がつくということです。
有給休暇の深夜手当
ここで深夜手当について、ちょっとした疑問が浮かびます。
「夜勤のシフトのときに有給休暇を使ったら深夜手当って出ないんじゃないの?」
答えは「いいえ、ちゃんと支払われます。」
そもそも有給休暇は、休暇でありながら定時間(8時間)ぶんの給与を保証するもの。
有給休暇を取得した日が夜勤シフトに当たっているのであれば、自分が出勤している場合と同等の給与は支払われます。
ですから、夜勤シフトのときでも安心して有給休暇を取得してください。
ただ、私と同じように夜型でない人は、せっかくの休みを寝るだけで終えてしまいそうですが・・・。
健康診断は年2回
製造業に就いている人は、必ず年1回健康診断を受けていると思います。
労働に関する法律で定められた決まりなので、受けたくなくても受けなければなりません。
それとは別に特殊健康診断というものがあります。
特殊健康診断は、有機溶剤を使用する作業など、人体に悪影響があると思われる業務に就いている人が対象。
こういった有害業務と同種のものに「深夜業」も含まれています。
つまり、夜勤業務に就いている人は年2回、健康診断を受けなければならないという決まりになっているのです。
中には「有害業務と深夜業がなぜ同種?」と思う人もいるかもしれませんね。
しかし、体のメカニズムのところでもお話ししましたが、目に見える悪い症状がなかったとしても昼夜逆転生活そのものが人にとっては害であると思います。
そういった体の変化に早めに気づくための措置ですし、無料ですし、面倒くさがらずにしっかりと受診しておきましょう。
ちなみに特殊健康診断の受診項目は、通常の健康診断よりも省略した形になっています。
元々「就いている業務によって体に害が出ていないかを調べること」に特化したものが特殊健康診断ですので、当然と言えば当然でしょうか。
まとめ
夜勤についてマイナスイメージを持つ人は結構いると思いますが。
夜勤あがり、すいている電車に乗ることができたり、太陽の光をいぶかしげに睨んだりするのは結構楽しいですよ。
そういうのを含めて、慣れてしまったらそれはそれで楽しいと感じられるなって思います。
よき夜勤を一緒に楽しみましょう!