近年多発する地震に対して、地震が起きたそのときにどうするかの具体例と、地震に備えて今、起こすべき行動をまとめているコンテンツです。
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地震が起きたらどうするか?
ここからは実際に地震が起きたときの行動を追っていきます。
最初に申しあげておきますが、これが絶対ということはありません。ここでの知識と実際の周囲の状況を加味して、生きるために最善の行動をとることを忘れないでください。
緊急地震速報の活用
緊急地震速報は、「その直後に大きな揺れがくると想定されるエリアを知らせる」ためのもので、時間はわずかしかありませんが、「地震に備えることで災害を少なくする目的」があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・防災行政無線などによって緊急地震速報が入った場合、すぐあとに起きる大きな揺れに対して対応しましょう。
具体的な対応は、部屋にいるときは一番大事な頭を守れるように保護したり、テーブルの下に隠れるなどして待機しましょう。
それと同時に、大きな揺れに体を持っていかれないよう、姿勢は低くしておきましょう。
また、固定されていない不安定なものにつかまるのは逆に危険ですのでやめましょう。
車を運転しているときは、ハザードをつけ、スピードを緩やかに落としながら左寄りに停車しましょう。(追突事故などの二次災害防止のため)
エレベーター内ではすべての階を押し、一番近いフロアで降りましょう。(閉じ込めを避けるため)
公共交通機関に乗っているときは、手すり・つり革などを活用し、急停車に備えましょう。
街中にいるときは、道路を走る車などの動きに注意しながら、特に高い建物の看板や窓ガラスなどの落下物を避けられる場所に逃げましょう。
すべての状況に共通して、落ちてくるもの(自分より上にあるもの・飛来物)、倒れてくるもの(背の高いもの・重いもの・不安定なもの)、寄ってくるもの(キャスターがついているもの)、刃物やガスなどの危険物(主にキッチン周り)に注意し、速やかに離れましょう。
地震がおさまるのを待つ
被害が大きくなるような地震は人が立っていられない状況も多く、揺れている最中に動くのは転倒・負傷の元になる可能性があります。
もちろん例外はありますが、揺れそのものは数十秒で収まる場合が多いので、その数十秒をしっかりと身を守る時間にあて、次の行動につなげます。
倒れそうな家具などを押さえる光景を動画でよく見かけますが、支えないで離れてください。(落下物・転倒物での巻き添え防止)
これより下記事項は、揺れがおさまったあとの行動となります。
二次災害防止
足元の破片や周囲の安全を確認しつつ、二次災害である火災を防ぐため、ガスの元栓を閉じましょう。
出火場所がある場合は、落ち着いて消化しましょう。火元が小さめなら、消火器などによる初期消火を。
火の手がある程度大きいと、水をかけたり布をかぶせて空気を遮断したりする行為が延焼を招く恐れがあることを踏まえたうえで、消火が無理だと判断したら迷わず逃げて119番通報してください。
その際も、周囲の安全確認をしっかりとおこなってください。
また、余震として再び大きな揺れがくるかもしれないという心構えをもって、自分の命を守る行動を優先してとってください。
避難経路の確保
ドアや窓などを開けることで、自分が安全な場所へ避難する際の出口となる場所を確保しましょう。
「揺れている最中に」避難経路を確保するとしている人もいらっしゃいますが、開けている最中にドアが閉まったり、窓ガラスが割れたりしてケガをするなどの二次災害も考えられますので、「揺れがおさまり次第」のほうがより安全でしょう。
避難の有無を確認
近隣の火災延焼などが見受けられた場合、一時避難場所などの安全なエリアに避難しましょう。
土砂災害などで避難指示があった場合も同様に。
河川付近にいた場合は、危険を感じる揺れだと思ったり津波警報が発令されたりした場合、速やかにより高いところ・津波避難場所・津波避難タワー・大きい立体駐車場などに避難しましょう。
渋滞に巻き込まれることでの津波からの逃げ遅れの実例もあるので、自動車ではなく徒歩での避難をおすすめします。
家からの避難の場合、電気のブレーカーも落としておきましょう。(二次災害防止)
一番大事なことですが、その後の情報に対しても、正しいものをしっかりと判断して選択しましょう。
今すぐできる地震への防災減災
ここからは、地震に対しての備えとしてできる行動を紹介していきます。
防災アプリの活用
緊急地震速報や地震後の情報はテレビや防災行政無線でも入手できますが、自分の一番近くにあるケータイなどのデバイスからが確実だと思います。
docomo・au・ソフトバンクなどの各キャリアでの防災アプリ・メールもありますし、ストアから入手できるYahoo防災速報などもありますね。
お好みのものを活用して地震発生をいち早くつかみ減災に努め、その後の正確な情報を元に防災行動をとりましょう。
避難訓練
これは小学校や中学校などで実践した人も多いかと思います。
どんなイベントにおいても、なんのシミュレーションもなしで本番を迎えるとミスすることが多くなりますが、地震に関しても同じことが言えます。
地震が起きたときになにをするか・どのような経路でどこに避難するか?
普段からこれを実践して、いざ地震が起きたときに体が勝手に動くくらいまで慣れさせると大きな収穫になります。
大人になると集団で訓練するような機会は勤め先で行うくらいになってしまいますが、自治体などで避難訓練を行っているエリアもあります。
繰り返しになりますが、避難が必要な場合には迷わず行動してください。
「自分に限ってそんなことは起こりえない」「面倒くさい」「実際に被災しないと現実味がない」などの理由で避難するべき場面で「逃げない」と答えている人の調査結果などもありますが、行動してください。
このような心の動きを「正常性バイアス」といい、心の安定をはかる上で大事な要素なのですが、非常時には邪魔になります。
考えるだけではなく、非常時には速やかに「行動に移す」のが自分の命を守る結果につながります。
そして速やかに行動に移すために重要なのが他でもない、体に染みこませるための訓練です。
もし結果的には逃げる必要がなかったとしても、「貴重な実践訓練を積めた」とプラスにとっておきましょう。
非常時の正常性バイアスをとりのぞくためには、近年の私たちに欠けつつある「自分の命の危険を感じとる感覚」というのを常日頃から研ぎ澄ませておくのが大切です。
自動車の運転と同じ。「~だろう」ではなく、「~かもしれない」と考えるクセをつけましょう。
それが危険予知の感覚を鋭くすることにつながります。
シェイクアウト訓練
避難訓練は基本的に集団でいることを前提として行いますが、このシェイクアウト訓練は2008年にアメリカで生まれた比較的新しい訓練で、個人でも行えます。
シェイクアウト訓練は、「自分が今いる場所で地震が起きた」と想定し、「地震発生から1分間の初動」(揺れがおさまるまでの平均的な時間)で重要な「かかんで」「頭を守って」「動かない」のみっつのアクションを訓練するものです。
これらのアクションはさきほど「地震が起きたらどうするか?」で挙げた項目がすべて盛り込まれており、これを徹底することが自分の命を守ることにもなります。
だからこそ、訓練をすることは重要なのです。
どうしてもイヤだというのなら、今自分がいる場所からの避難経路や安全なエリアの想定でも構いません。
自分の体に染みこませてください。
不安全状態を減らす
さきほど地震発生前や直後には「落ちてくるもの」「倒れてくるもの」「寄ってくるもの」から離れるようにと申し上げました。
逆に言えば、これらの状態をなるべく排除すれば(すなわち不安全状態を減らせば)、より安全な状況が作れるはずですよね?
例えば、倒れてきそうなものが家の中にあるのなら固定する。
家具を「L字型の固定具」や「突っ張り棒」などを使って固定しておく。
また、倒れてこない状態を作り出すのもいいですね。
高積みされている本などがあれば処分したり、何段かに分けたり、本棚に収納したり。
食器棚などは棚そのものを固定する他にも、扉が開いたとき割れ物が落下しないようストッパーを設置しておくなど。
扉タイプではなく引き出しタイプにするとか、自分の目線よりも低い位置の棚を使うとか。
割れる素材の食器をすべて割れない素材のものに入れ替えるとかでもいいと思います。
あるいは高い場所に重いものを置かないとか。そもそも要らないものは捨てて減らすとか。
地震が起きたとしても、できるだけケガをしない状態を作り出すことで命の危険性を減らすイメージでいくといくらでもアイデアが浮かぶと思います。
学校の一時避難場所にグラウンドがよく選ばれるのは、そこにはそもそもこのみっつの危ない状態(不安全状態)がないからです。
防災グッズ準備
ここからはおそらくみなさんがよく耳にしているであろう防災グッズの話ですが、他ではあまり言われていないことに注目して解説していきます。
防災グッズはあるなしで言えばそれはあったほうがいいのですが、基本的なところで忘れてはならないことがあります。
防災グッズは「持ち運びながら逃げなければいけない」ということです。
あれもこれもと揃えて準備万端!などと満足するのはいいのですが、果たしてそれは災害時に持ち運び可能ですか?
かさばっていたり、重すぎたりしたら逃げるどころではなくなってしまう。
避難に成功しない限り防災グッズが活きる場面はないのです。
そんな内容品も充実した、持ち運びも苦にならない防災グッズがあります。
くわしくは私の別記事をご覧ください。
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