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「透明なゆりかご」ポイント&あらすじ【泣けるだけの物語じゃない】

2021-05-09

Cradle
ごんざぶろう

「透明なゆりかご」を観るときのポイントやおおまかなあらすじが知りたい!

あと、この作品がいつでも観られるようなコンテンツはなにかないかな?

こんな疑問にお答えしていきます。

「透明なゆりかご」はドラマと漫画がありますが、あらすじについてはドラマのほうを解説していきます。

そのあと、ドラマも漫画も両方楽しめるコンテンツを紹介していきます。

作品のポイント

それでは「ここを押さえておくべき」という作品のポイントからお話していきます。

ポイント

  • 原作者は「沖田×華」さん
  • 「命とはなにか?」
  • U-NEXTで視聴可能

原作者は「沖田×華」さん

「透明なゆりかご」には、ドラマと漫画があると言いましたが、漫画が先に描かれました。

原作者のお名前は「沖田×華(おきたばっか)」さん。女性です。

名前は本名ではなく、「起きたばっかり」から文字ってつけたという、なかなかユニークなネーミング。

というのも、現在、沖田さんは漫画家として活動していて、「透明なゆりかご」に関しては2021年2月に連載終了。

内容はシリアスではありますが、沖田さん自身のイラストのタッチが非常にポップで、語り口も重くない印象というのもあって、読み進めやすく、理解しやすくなっています。

この他にも多くの作品の連載をしています。

また、ご自身は「アスペルガー」「学習障害」「ADHA(注意欠陥・多動性障害)」といった多くの発達障害と向き合いながら生活しています。

こちらについては調べればすぐに出てきますので、多様性を身につけるためにも個人個人で興味を持って臨んでみてください。

さて、ドラマのヒロインの「青田アオイ」はとある産婦人科にバイト勤めすることになりますが、そのヒロインの元になっている人物こそが沖田さん。

その当時のご自身の体験を元に作った作品が「透明なゆりかご」です。

「命とは何か?」

本当におおまかな部分での軸になるところではありますが、「透明なゆりかご」は「命とは何か?」について、おのおのが考えるべき作品です。

日本人の死亡原因の上位は「腫瘍(しゅよう)、あるいは脳疾患、心臓疾患」となっています。

統計学上、つまり調査できるものの中ではそうなります。

しかし、それを含めない場合の1位。

それがアウス(人工妊娠中絶)

これはドラマ第一話冒頭の院長の言葉ですが、あなたはどう思いますか。

中絶によって取り出された命は、ごく小さい。

鳴き声も上げていない。

でも、「命」です。

疾患で亡くなる人と同じ命です。

昨今のドラマなどでは「生まれてくる命」に対して焦点を合わせ、「生まれるはずだった命」に対してはあまり語ろうとはしません。

しかし、沖田さんは影の部分にも多くの焦点を当てました。

産婦人科では、生まれてくる命もあり、生まれる前に失われる命もある。

物語だからと美化せずに、目をそむけたくなる現実の部分も鮮明に描き出し、対比させることで「命」について考える余白を与えてくれています。

ドラマ中、ヒロインは「生まれる命も生まれるはずだった命も同じ命、同じ重さだ」と回想するシーンがありますが、ここがまさにキーポイント。

生まれてくることがなかった命を収める透明な小瓶。それはその赤ん坊の「透明なゆりかご」。

タイトルにはそんな意味が込められています。

U-NEXTで視聴可能

「透明なゆりかご」のドラマと漫画のどちらも楽しめるコンテンツがあります。

それが「U-NEXT」。

30日間無料トライアルなら0円で楽しめます。(漫画の無料は1巻ぶんのみ)

「とりあえず説明はもういいから0円でドラマ観てくるわ」という人は下記からどうぞ。

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※本ページの情報は2021年5月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

あらすじ

ここからはネタバレ要素が多く含まれますので、知りたくない人は飛ばしてください。

1997年、高校最後の夏。准看護学科に通う高校生の青田アオイはバイトとして、とある産婦人科にお世話になります。

その初日、自分の目の前で見た中絶と出産をきっかけにして、「命の重さはみな同じではないか?」「命とはなんなのか?」を考えはじめます。

それから、アオイは様々な理由と状況を抱えた女性に出会います。

不倫相手を信じて出産した人。

自身の持病が悪化することを分かっていながら出産に臨む人。

産婦人科のかたすみに出産直後の赤ん坊を置き去りにする人。

出産後、なんの兆候もなく容体が悪化し亡くなってしまう人。

14才で赤ん坊を生み、ひとりで育てる決心をした人。

自身が愛情を受けてこないまま、出産して子を育てようとしている人。

自身の社会的地位と出産・育児の両立に悩む人。

流産してしまった人。

身内から性暴力を受けた人。

感想

私自身が今、息をして五体満足で生きている。このことがどれだけ奇跡的なことかを知らされたドラマでした。

望まれない妊娠で失われる命。望んでいるのに授かれない命。親と子のつながり。

出産をした母親と、生まれてきた赤ん坊が、無事に健康に育っていくことの難しさ。

成長途中の女性が未熟な心と体で出産すること、我が子と向き合い育てていくことの恐怖。

出産・育児で休暇を取った女性の社会復帰のためのシステムの構築の必要性。

身体的な欠陥がある状態で誕生し、短命で生涯を終える命がある事実。その延命治療の是非。

あらゆる覚悟をしなければ命を生み、育てることすら思い通りにはいかないのだろうか。

心だけじゃない。体だけじゃない。お金だけじゃない。

命と向き合うことはシンプルなことのはずなのに、こんなに悩んで、立ち止まって、叫んで、絶望して。

そうしてずっと前の時代から命は受け継がれてきた。その光と闇。

私事ですが、母の胎内にいるとき、へその緒が首に巻きついてしまって心臓が停止した状態になったらしいです。

帝王切開で無事出産するも、幼少期に脳に腫瘍のようなものができていることが分かります。

これは母親が私の異常にいち早く気づき、ひとつめの小さな病院で異常なしと診断されたものの疑問を持ち、大きな病院で診断しなおしてもらっての発見。

発見がもう少し遅れていれば知的障害が残っていたとのことです。(現在は完治しています。)

私自身は当時のことはほとんど記憶にありませんし、肝を冷やしていたのはむしろ母親のほうだったのでしょうが、私が思うのは。

「母親には常に不安がつきまとうのだろう」ということです。

出産前も、妊娠中も、出産後も、育児中も。

それぞれ状況や環境は違っても、そのときそのときの不安を抱えながら生きている。そう思います。

だからこそ、むしろ私はこのドラマに興味を抱かないであろう男性にこそ観てほしい、知ってほしいと願っています。

不安を抱かない女性はいない。それが分かっていればパートナーに対しての考え方も接し方も変わるはずです。

パートナーと一緒に悩んで、できる範囲で協力してあげてほしい思いが強くあります。

それに、現在は多様性を容認することも叫ばれています。

周りの人と身体的特徴が違おうとも、精神的障害があろうとも、同じ人間。同じ命。

はるか昔から同じようにつむいできた命です。なんの変わりもない。

「命」ということからたくさんのことを学び、考えさせられる。

どんな教材や物語よりも深く響く。

興味がなくても観てほしい作品です。

U-NEXTの無料トライアルなら「透明なゆりかご」を全話視聴できます。

ドラマとしてだけではなく、教材や家族間で命の話をするときに最適です。

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まとめ

この物語を言葉や態度で後世につむいでいけたら、一番喜ばしいことかもしれません。

ここにある自分の命の不思議を感じながら、これからも文章を連ねていきたいと思います。

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