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平成仮面ライダーを180度方向転換させた傑作「仮面ライダーW」解説

2020-09-18

仮面ライダーといえば、いつの時代も根強い人気の特撮シリーズです。

2021年に生誕40周年を迎えるこの仮面ライダーですが、ひとつターニングポイントとなる作品があります。

それが「仮面ライダーW」です。

当時の仮面ライダーシリーズの流れを激変させ、新たな風を生み出したこの「仮面ライダーW」について、どのあたりが変わったのか?その後のシリーズへどのような影響を与えたのか?作品の特色まで含めて解説していきたいと思います。

「仮面ライダーW」とは?

2009年テレビ放送された平成仮面ライダーシリーズ11作目です。

ハードボイルドを夢見る左翔太郎と不思議な少年フィリップのふたり組の探偵が風都という街で起こる事件を解決していくストーリーとなっています。

今作が俳優デビュー作となるフィリップ役の菅田将暉さんにまず軽く注目です。

仮面ライダーWに見る特色7つ

仮面ライダーWは、直前作であるディケイドまでのスタイルを踏襲しないオリジナルの構成となっています。

7つほどピックアップして解説していきますね。

  • 敵が一般市民、命を奪わず改心させる倒し方
  • 仮面ライダーの原点、3つの特徴の復活
  • アイテムの組み合わせで変身
  • エロ要素・コメディ要素が多い
  • 本編とそれ以外の作品との関係性の深さ
  • 他の特撮ドラマに出演経験のある俳優をゲストに
  • 主演・準レギュラーに関西圏の俳優が多い

敵が一般市民、命を奪わず改心させる倒し方

それまでの仮面ライダーでは敵役は完全な悪者で、単純に相手を倒すことで決着を迎えることが多いのですが、Wはまったく違います。

風都の住人たちがそれぞれの悪のささやきに耳を傾けてドーパントという怪物に変身しますが、このドーパントの倒し方が斬新です。

とにかく悪い奴はまるごとぶっつぶす!ではなく、住人を怪物化させているアイテム・ガイアメモリのみを破壊し、住人の命と心を助けて改心させるところまでやっちゃいます。

これは左翔太郎の先生である鳴海荘吉が掲げていた「依頼人の心まで救う」をしっかりと実践している形です。

このシステムは当時かなり斬新で、その後のシリーズがこのシステムを取り入れるくらいにまで影響を与えます。

作品の脚本を手掛けた三条陸さんには脱帽です。

仮面ライダーの原点、3つの特徴の復活

初期の仮面ライダーの特徴といえば、「触角」「複眼」そして「マフラー」なんです。

実は最初仮面ライダーは「バッタ」がモチーフになっていました。

2本の「触角」、昆虫のアミアミの目のまんまる「複眼」、バイク乗り(ライダー)と羽をイメージした「マフラー」が定番だったのですが、キャラデザインのスマート化によって近年の仮面ライダーでその3つを見る機会は減ってきていました。

Wは平成2期の10年のスタートのライダーということもあってか、こういった初期ライダーに見られた特徴をデザインのスマートさはそのままに取り入れています。

また、仮面ライダージョーカー限定ではありますが、ライダーパンチとライダーキックという完全なる初期技を使うライダーも復活しています。

アイテムの組み合わせで変身

このWは「ふたりでひとりの探偵」がキャッチコピーで、ライダーとしては初の「ふたりでひとりの仮面ライダーに変身する」というギミックが取り入れられています。

まずは変身に使っていたアイテムの大々的な変化がありました。

直前のディケイドまでカードで変身するライダーが結構いたのですが、WではUSBメモリを模したガイアメモリというアイテムで変身します。

そして左翔太郎とフィリップがもつガイアメモリを1本ずつドライバーに装填することで変身するのですが、このアイテムのかけ合わせというのも過去作品にはなかった新しい試みでした。

そしてこのギミックも後続作品に取り入れられていきます。

またガイアメモリと変身者にはそれぞれ相性があり、例えば財団Xの加頭順ではその能力を充分に発揮できなかったエターナルメモリも、お互いが惹かれあうようにして出会った大道克己なら最大の能力を引き出せました。

翔太郎とジョーカーメモリも極めて相性の良い組み合わせとなっています。

エロ要素・コメディ要素が多い

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前作までの仮面ライダーは映像やストーリーがなにか重い・・・。重かったのです。シリアスすぎるというか。息苦しさ満載なんですよね。特撮は元々子供向けのものなのにストーリーもこんがらがってよう分からんし。

Wからはそういったイメージを払拭するくらいのエロ要素・コメディ要素が多くなりました。これによって明るいイメージと番組全体のライトさが生まれ、バランスが最強になりました。

またひとりひとりのキャラに強烈な個性が生まれ、主役から端役に至るまで全員に豊かな人間性が表れるようになりました。

こちらも後続のシリーズへと引き継がれていきます。とはいえエロ要素はモンスターペアレントのせいで激減しましたけどね。フン。

本編とそれ以外の作品との関係性の深さ

本編であるテレビドラマと、それ以外の劇場版・スピンオフといったところの関係性の深さがW全体のストーリーの重厚さを作り出す要因のひとつでした。

本編ではあまり深く語られていない翔太郎とフィリップの出会いや鳴海荘吉との過去、鳴海荘吉の現役時代のストーリー、劇場版のボス・仮面ライダーエターナルが悪に墜ちるまでのスピンオフなど、なんなら劇場版やスピンオフを観ずしてWは語れないというくらいの内容の濃さです。こういった点も特色といえます。

他の特撮ドラマに出演経験のある俳優をゲストに

かなり特異な点として、この仮面ライダーWには本編・劇場版関わらず、以前にスーパー戦隊に特撮出演していた人を多く出演させているというユニークな特徴があります。

目立つところだと、アバレンジャーのアバレッド・アバレブルー、ハリケンジャーのハリケンブルー、ゲキレンジャーのロンとメレ、デカレンジャーのデカイエロー、シンケンジャーのシンケンピンクなど。

特撮シリーズでは変身後のアクターにアクション俳優を有するジャパンアクションエンタープライズの方々を多く起用していますが、その方々が顔出しで出演なさったりもしています。

また芸能人も多く出演しており、鳴海荘吉役になんと吉川晃司さん、園咲琉兵衛役に寺田農さん、ウォッチャマン役になすびさん、刃野刑事役になだぎ武さん、クイーン&エリザベス役に元AKB48の板野友美さんと河西智美さん、Wのメインライターの三条さんやサブライターの長谷川さんが顔出しで出演されるなど、考えてみると隠し要素もあり、かなり豪華ですね。

主演・準レギュラーに関西圏の俳優が多い

フィリップ役の菅田将暉さんを筆頭にして、仮面ライダーアクセル・照井竜役の木ノ本さん、ヒロイン・鳴海亜樹子役の山本さん、仮面ライダーエターナル・大道克己役のSOPHIA・松岡さんなどがいらっしゃって、制作発表記者会見などの場が関西弁であふれ、関西弁が大好きな私としてはたまらない感じです(笑)。

まとめ

多少脱線しましたが(笑)、それまでの仮面ライダーにおいて封印されていた原点の復活、アイテムの組み合わせによる変身などのまったく新しいアイデアという新旧両方の要素が詰まっているのが仮面ライダーWなのです。

それがのちの仮面ライダーシリーズにも踏襲され、現在の仮面ライダーにも投影されていると考えたらなにか感動に近いものを感じずにはいられません。

特撮の歴史や流れなどを知ることで現在の特撮がどんな構成になっているのか?なにが活かされているのか?などを考えながら観るとまた違った一面が見えるかもしれません。

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