「会話のキャッチボールがうまくなるためには具体的にどんな練習をすればいいの?」
こんな疑問にお答えしていきます。
今回は、聞き手編をお送りします。
コンテンツ
前回までの流れ
会話のキャッチボールには「話し手」と「聞き手」が存在します。
前回の内容では、「話し手」にスポットを当てて解説しています。
「話し手」の記事も読みたいという人はこちらをどうぞ。
「会話のキャッチボールってそもそもなに?」という人はこちらの記事もどうぞ。
→会話のキャッチボールってなんだろう?【ボールはひとつだけある】
聞き手側の練習方法
聞き手側の練習方法として、ポイントは3つ。
聞き手側の練習ポイント
- 基本「受け」の姿勢
- 話のきっかけを作る
- 話し手の話を広げていく
基本「受け」の姿勢
聞き手の練習のときには、まず「相手の話を聞くこと」を意識する必要があります。
というのは、一般的には相手の話を聞くよりも自分が話をするほうが比較的簡単であるため。
会話をするときに自分自身で意識をせずにいると、「ふと気づけば自分が話をしている時間のほうが長い」なんていうことになります。
ですから、人の話を聞くのが苦手という人は、会話をするときにまず「相手の話を聞くこと」を意識してみてください。
このように、相手の話を聞くときに大切になるのは「受け」の姿勢です。
「受け」という表現を別の言葉に置き換えれば、「サポート」「アシスト」といった感じでしょうか。
つまり、「話し手が話しやすい環境を作ってあげる」のが聞き手の役割になります。
と言っても、特に難しいテクニックが必要なわけではありません。
例えば、「話を聞く姿勢を見せる」。
話を聞くときに次に自分が話すタイミングばかりうかがっていたら、相手は気持ちよく話せません。
また、「話聞くのけったるい」と思いながら聞いていたら、あなたの表情やあいづちはつまらなそうになるでしょう。
そうしたら、話し手はそれ以上話そうという気は起きなくなりますよね?
そのあと、もし話し手があなたに切り替わったとして、相手はあなたの話を聞いてくれるでしょうか。
会話はどちらかが一方的に話していたのでは成り立ちません。
自分が聞き手に回っているときには「受け」の姿勢を忘れないようにしてみてください。
話のきっかけを作る
・・・と言ってしまうと「難しい」と感じてしまうかもしれません。
でも、簡単なところで言えば、タモリさんふうでオッケーなんです。
例えば女性相手であれば、「髪切った?」「ネイルかわいいね」など、見た目のことを振ってあげてみてください。
女性は男性よりも話すのが上手な場合が多いので、そこから話をふくらませながら会話を続けてくれます。
また、男性相手であれば、相手の得意なことや関心のあること、自信のあることに振ってあげてみてください。
普段あまり話さない人だとしても、楽しい気持ちで積極的に話をしてくれるでしょう。
あとは、このポイントでも話題以前に「聞く姿勢」が大切になってきます。
仮に適当な話題が浮かばず、沈黙が続いたとしましょう。
ここで聞き手がそっぽを向いてしまったり、携帯をいじりはじめたり、表情が険しくなったりすれば「話を聞くつもりがない」という意思表示ととらえられてしまうかもしれません。
そうなってしまうと話し手も話すことを遠慮してしまい、余計に会話が続かなくなってしまうでしょう。
ですから、話題をどうするか以上に、常に「話を聞く姿勢がある」ということが相手に伝わる状態でいたいものです。
聞き手側から話題が振れないとしても、話し手側がふとしたことで話したいことが浮かぶときだってありますから。
そのときに聞き手が話し手のほうに意識を向けていれば、話したいことをスムーズに話し始められます。
話題のきっかけ作り同様、相手が話し始めやすい状態でいてあげることも、聞き手の立派なきっかけ作りですよ。
話し手の話を広げていく
話のきっかけを作るところまでができていれば、あとはもう相手の話に身を任せる感じです。
さきほどの例で解説していきますね。
会話の展開は、ごんざぶろうくんとさくらこさんにご協力いただきましょう。
あ、そのネイルかわいいね?
ありがとう!うちの近くにネイルサロンができたからいってみようと思って。
そうなんだ?ピンクで桜のイラストもあるね。
ね?それがかわいくてお願いしたんだ。そろそろ春も近いしね。
ごんざぶろうくんは桜、見にいったりするの?
あー、それいいね。どこの桜がきれいかなあ?
ここまでお話ししてきたとおり、受けの姿勢で相手の話を聞くことに意識を置き、きっかけを作ってあげるのが聞き手の役割。
ごんざぶろうくんは、その日のさくらこさんを見て、ネイルアートがしてあることに気づいて声をかけた。これがきっかけ作りです。
これって、なにかおもしろい話を切り出そうとしてしたことではありません。
自分が相手を見て気づいたことを言葉にしている。それだけです。
このように、きっかけ作りって文字どおりきっかけを作ってあげているだけで、話のとっかかりになりさえすればいいのです。
そこからリターンを受けてまた返す。それだけ。
そういったシンプルな考えでやりとりした結果どうなったでしょう。
ネイルのデザインが桜であることから話が広がって、桜を見るという話。
おまけに逆に話を振り返されて話し手と聞き手が交代というスムーズな流れになっています。
ごんざぶろうくんはネイルのデザインについて返しましたが、例えばネイルサロンの雰囲気でも、ネイルにかかる金額でも、どんなサービスを受けたのかでも、なんでもいいんです。
【例1】
ネイルサロンの雰囲気を聞く
→外観や内装は〇〇という話から、実はネイルを担当してくれた女性が友達の妹だったという話
→さくらこさんの兄弟の話を聞く・・・
【例2】
ネイルサロンの金額を聞く
→オープン記念で安くすみ、浮いたぶんで近くのカフェでスイーツを食べたという話
→同じ店にいったことがあることが分かる・・・
これはあくまでも例ですし、相手あってのものなのでここまでスルスルはいかないかもしれませんが、イメージは感じてもらえたかと思います。
言ってみれば連想ゲームなんですよね。
自分がきっかけにしたネイルからつなげて話を広げていく。
その中で、桜や兄弟構成やカフェの話といった別の話へと展開していく。
このように、きっかけさえできれば、あとは相手からもらった話の内容やワードから話をしていくことでどんどん話題が広がっていくんですね。
どちらもできたら最強
前回は会話の「話し手」、今回は会話の「聞き手」をピックアップして解説してきました。
練習によって慣れてきたら、相手に合わせて話し手でも聞き手でもいけるようにしておくといいですよ。
というのも、人それぞれいろいろなタイプがいて、話をするのが得意な人もいれば話を聞くのが得意な人もいるわけです。
自分がどちらもこなせるようになっておけば、どちらのタイプが相手でも困ることがなくなります。
つまり、相手が話をするのが得意な人であれば「聞き手重視モード」で会話。
相手が話を聞くのが得意な人であれば「話し手重視モード」で会話できる。
そして練習でどちらもこなせるようになっているということは、自分が話し手のときには聞き手が聞きやすくするためにどうすればいいかが分かる。
自分が聞き手のときには相手が話しやすくするためにはどうすればいいかが分かるということ。
言うなれば会話マスターになったようなものなのです。
まとめ
ということで、会話において大切なのは、話し手が話しやすい状態、聞き手が聞きやすい状態がどんなものなのかを知ることなんですね。
自分が話すときでも聞くときでも、相手の身になって考えるということが身につけば、会話は自然と上手になるものなのです。
普段から会話する自分を上から眺める感じ、客観的に把握できるように心がけていくことで身につけられますよ。